交叉法

嫡流真伝中国正派拳法の特徴は交叉法です。
相手の攻撃を受けてから返すというラリー的な動きではなく、相手と差し違えるように一撃で”合わせる”動きです。
後の先
交叉法の理合いは、後の先(ごのせん)の理合いです。
嫡流真伝中国正派拳法では「受ける」という概念がありません。
相手の攻撃を受けてから技を返すのではなく、攻撃を未然に察知し、ぎりぎりでかわすように、体移動しながら攻撃する理合いです。

自然体
嫡流真伝中国正派拳法には、「構え」という概念がありません。
相手に対して正対し、自らの正中面・正中線(急所)をさらす”いわゆる無構え状態”で対峙します。
「構え」は、相手に対して緊張した状態の現れです。また、相手の緊張をもさそいます。
相手に対して正中面・正中線(急所)をさらすことは、桜小路先生の言葉を借りて言えば「相手に命を預ける」ということになります。また、それは先生の教えで核心となる「武道はハラを作る為にある」ということにもつながります。
ハラを作るとは、”過度の緊張や弛緩した状態のない、バランスの取れた状態”、”相手を思いやる余裕”を持つこととなります。
正中線(急所)をさらす”いわゆる無構え”である「自然体」で稽古を行うことにより、他人や環境とのよりよい関係性を築くことができます。
ハラを獲得した時、そこには自他という境界線は存在せず、「相和する」という概念をも越えた「一つの全体」しかないのかもしれません。

化剄
嫡流真伝中国正派拳法の特徴として「受け技が無い」ことが挙げられます。
相手の攻撃に対して、後退することなく、ぎりぎりでかわしながら前進する技法。相手の攻撃を化す、この技法「化剄」が基本となります。
桜小路先生は、「組み手でさがる(後退)のは三歩まで」とおっしゃったそうです。
化剄を体や潜在意識に染みこませることにより、日常生活における「問題」や「ストレス」に対して、正面で「受け止める」のではなく、また、押し切られることなく交わしながら「前進」し、自分にとって有利なポジションへ歩を進めることを体現出来るようになります。
また、日常生活において、「化剄」を意識することにより拳法(武道)にも還元されていきます。

待つ
嫡流真伝中国正派拳法の稽古、使用法において自然体で立つことは、「待つ」という状態を作り出します。
相手の攻撃を察知しながらも、その場から逃げるのではなく、自分に到達するぎりぎりまで「見」、そして「待ち」ます。
この「待つ」状態を心身に刷り込ませることにより、突発的な出来事に対しても揺らぐことのない安定した精神を練ることができます。